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樹梟堂日記

自営業者の日記です。最近はまっているのはマンガ「トーキョーグール:re」「亜人」「ジョジョリオン」「ハンターハンター」、スマホゲーム「Fate/Grand Order」「クラッシュロワイヤル」です。

読書感想/わたしを離さないで/カズオイシグロ

 カズオイシグロ著「わたしを離さないで」の感想です。


 ノーベル文学賞を取った日系イギリス人カズオイシグロの著作を読みたいと思っていたら父が買ったので借りました。
 母が読んでいる途中だったのですが気持ち悪いとのことですぐ借りることができました。

 この物語は「提供者」となる宿命を背負った人として同じ身の上の子たちと育った介護人キャシーが子供時代から大人時代までを回想するものです。
 丁寧に綴られた文体は初めは退屈に感じましたが後半になるとぐぐっとのめり込んで夢中になり、最後には読み終えるのをもったいなく感じるようになりました。
 最近はラノベやホラー小説ばかり読んできていましたがなるほどこれが文学かと感心します。

 私がこの物語を読む前、他の方の感想を既に読んでいて大体の流れをあらかじめ知っていたのですが、その感想で言われていたのはキャシーたちはなぜ逃げなかったのかが分からないということでした。
 それを頭に入れ、そしてイギリスということで階級社会、大英帝国時代ならざる衰退の時代だというステレオタイプなイギリス像を頭に描いて読みます。
 そのせいで思ったのはやはり階級社会の物語だと感じました。
 キャシーら提供者として生まれた子たちには自分の人生を選択することはできず、そしてそう発想する教育を受けていない。
 ヘルシャイム創設者たちは他の施設よりずっと良いと自画自賛していたが結局人間としてよりペットとして育てていたのではないかと。
 本当に提供者らの待遇を良くしようと思うのなら、提供者たちと一緒に運動すべきだったのではないかと思いました。

 そしてこの物語を彩る恋と友情。
 それも彼女らが逃げようという発想に至らなかった原因のひとつでしょう。
 それが充実していれば過酷な運命だとしても快楽と苦痛がある単なる現実でしかなかったのではないかと思いました。


 さて、父は同著者の「日の名残り」を買っていたので読み終えていたら借りることにしましょう^^



わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)


日の名残り (ハヤカワepi文庫)

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