樹梟堂日記

自営業者の日記です。最近はまっているのはマンガ「トーキョーグール:re」「亜人」「ジョジョリオン」「ハンターハンター」、スマホゲーム「Fate/Grand Order」「クラッシュロワイヤル」です。

小説感想/BLAME! THE ANTHOLOGY

 小説集「BLAME! THE ANTHOLOGY」を読んだ感想です。


 「BLAME!」はネットの暴走により無限に成長する都市を舞台に、なんでも貫通する重力子射出放射線の銃を武器に都市を正常化できるネット端末遺伝子を求め旅するサイボーグ、霧亥(きりい)の冒険を描いた漫画です。
 その圧倒的な時間と空間を感じさせる作風はある種の人に大受けで私もその1人なのでした^^
 かなり古い漫画なのですが、同じ作者の「シドニアの騎士」がヒットしたせいか、この漫画の劇場版アニメが5月20日に公開されます。
 そのお祭り騒ぎの一貫としてこのアンソロジー小説が発売されました。
 収録されている作品は5本で、描かれている設定は公式ではないとのこと。

はぐれ者のブルー/九岡望

 電基漁師の鈍丸は食料よりも青い塗料探しを優先するため仲間から疎まれている。
 あるいひ、1人で都市を探索していると死体拾いという危険視された謎の存在に遭遇し襲われるのだった。

 都市の描写が自分が歩いているかのように感じられて良い。
 原作漫画は登場人物たちの苦悩はあまり感じられないドライな雰囲気なのだが、こういう悩みを持った人物たちもいたんだろうなとも思う。
 最後は民話みたいな終わり方なのもジンときた。

破綻円盤 -Disc Crash-/小川一水

 珪素生命のルーラベルチは宿屋で来客者を誘惑して食べて生活している。
 ある日現れた夷澱(いおり)と名乗る「検温者」により彼女の身の回りは変化してゆくのだった。

 この著者は今回の5人の中で唯一知っている名前だ。
 しかし一冊も読んだことはない。
 テーマの壮大さと都市の哲学、そして恋愛なのかどうかよく分からない複雑な2人の関係と素晴らしいエンターテインメントだった。
 彼の「天冥の標」シリーズが気になっていたが、俄然読みたくなった^^

乱暴な安全装置 -涙の接続者支援箱-/野﨑まど

 重油の川の近くにある街、そこで消火をするための組織「対火機構」の詰め所に1人の男児がやってきたことから大きな事件に発展していく。

 「BLAME!」世界で勧善懲悪の江戸時代風物語を上手くやっているなと思っていたらラストが・・・
 ある意味一番「BLAME!」らしい作品かも^^;

堕天の塔/西島伝法

 統治局の命令で月の発掘に携わっていた統治局の代理構成体たちは、謎の現象により塔の残骸に閉じ込められて落下し続けることになった。

 格好良いタイトルからどんな物語かと一番期待していたのだがよく理解できなかった。
 ラストの描写からしてこの謎の現象は緊急保存パックに一同が支配されていた?
 あるいは全てが、月の発掘自体が緊急保存パックの中の人格の望みによるものだったのだろうか。
 いずれまたじっくり読み返してみたい作品だ。

射線/飛浩隆

 霧亥が消息を絶って2000年が経った世界、その覇権は環境調和機連合知性体のものだった。
 彼女がはるかな時とエネルギーを費やして求めたものとは。

 正直一番ないわと思った作品。
 霧亥が都市を救えなかった未来であり、人間も滅んでいくしかない世界。
 霧亥のあの旅は何だったの!?という感じ。
 まーあのラストからそのナンセンスさも分かっていてやっているのだろうが。
 だが世界が変わって行く様子は次に何が起こるかとワクワクさせるものがあったのでそれなりに面白かったです。


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