樹梟堂日記

自営業者の日記です。最近はまっているのはマンガ「トーキョーグール:re」「亜人」「ジョジョリオン」「ハンターハンター」、スマホゲーム「Fate/Grand Order」「ポケモンGO」「クラッシュロワイヤル」です。

Kindle読書/変身(カフカ・フランツ)ネタバレ感想

 iPhone5sのKindleアプリで読んだ「変身」(カフカ・フランツ)のネタバレ感想です。

 青空文庫のもので無料でした。



 青年がある日起きたら芋虫(文中では毒虫)になっていて家族に厄介者扱いされるというのがあらすじです。

 それだけは知っていていつか読みたいと思っていたのですが、Kindleで無料で読めるということを知り読みました。


 感想としてはなんともとらえどころがなくて未だに色々考えさせられています。

 初めの主人公グレゴールが芋虫になりとまどう様子はかなり楽しんで読みました。
 こういうシュールな状況とそれを考察する主人公という構図はなんか好きです。

 なぜでしょう?
 「世界の謎を挑む」ということはなんともわくわくさせられることなのですが、膨大な手間がかかるので中々できません。
 でもこういう未知な状況に放り込まれるシチュエーションは、手軽で強制的に「世界」と「個人」が向き合わされるので、その関係性が非常に分かりやすい形で出てくるのではないかと思いました。


 次はグレゴールが家族に厄介者扱いされつつも、次第にそのザムザ家が状況に適応していくことになります。

 ここでは三十路になっても両親から自立できていない自分をグレゴールと、要介護者の祖母をする自分をザムザ家の面々とダブらせて読みました。

 特にこの本を読むのを中断して祖母の世話をしに言った時、何も話さずにむしゃむしゃとバナナを食べたり栄養ドリンクを飲む祖母を見て、色々考えつつもコミュニケーションを取れないグレゴールを連想して思うところがありました。

 祖母もあまりコミュニケーションとれないのですが、グレゴールのように豊かな内面を持っているのだろうか。
 それならもっと気遣ったり観察してよく理解するようにしないといけないな、みたいなことを考えていました(笑)


 それで結末なのですが、これが困った。

 家族を養うために頑張ってきたグレゴール青年が何も報われずに死んでしまうとは!
 そして残されたザムザ家の面々は何か希望に燃えていてハッピーエンド風味ではないか!

 これは一体どういうことなのだろう、作者は何を思ってこうしたのでしょうか。

 思ったのは、グレゴールは家族を一人で養っていたのですが、そのグレゴールが働けなくなったことにより、残された家族はそれぞれ働いて給料を得るようになったこと。
 グレゴールはザムザ家の面々の自立のための生贄だったのでしょうか。
 それとも彼はザムザ家の面々から自立心を奪っていた一種の悪魔だったのでしょうか。

 作者はユダヤ人とのことなので、旧約聖書の自分の子どもを生贄に捧げようとする話しをモチーフにした?
 いやあれは止められていたな・・・


 などと考えて1日経った今も混乱中です。

 単に現実ってこういうものだよね、優しい人が報われるというようなものではないよね、ということかもしれません。

 でも、こうやって色々考えさせられるのが歴史を超える文学作品なのでしょう。
 いやはや、古典文学というのは難しくて中々楽しめないものだと思っていたのですが、実際読んでみると中々面白い。
 他の青空文庫作品も読んでみることにします。


変身
変身
posted with amazlet at 14.03.10
(2012-09-14)


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