樹梟堂日記

自営業者の日記です。最近はまっているのはマンガ「トーキョーグール:re」「亜人」「ジョジョリオン」「ハンターハンター」、スマホゲーム「Fate/Grand Order」「ポケモンGO」「クラッシュロワイヤル」です。

小説/クリムゾンの迷宮(貴志祐介著)ネタバレ感想

藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ?傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」。それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。
綿密な取材と斬新な着想で、日本ホラー界の新たな地平を切り拓く傑作長編。


 「クリムゾンの迷宮」(貴志祐介著)のネタバレ感想です。

 貴志祐介本は数年前に「13番目の人格ISOLA」「黒い家」を読んでいたのですが、最近日曜日にパソコン禁止にし、その暇つぶしに「悪の教典」を読んだことから火がつきました。
 「天使の囀り」「硝子のハンマー」「狐火の家」「鍵のかかった部屋」「新世界より」と立て続けに彼の作品を読んでいます。


 それでこの作品、「クリムゾンの迷宮」なのですがあらすじから好物のバトルロワイアルものを期待していたのですがちょっと期待はずれでしたね。
 たしかにバトルロワイアルものとは言えるのですが、狩る側がほぼ固定なのでちょっと私の好みからははずれていました。

 主人公と相手に死にもの狂いで殺し合いして欲しかったなと(笑)


 しかしこの結末こそ貴志祐介本の真骨頂なのではないかと思います。

 ヒロインはなぜこのゲームのその役割をしていたのか、ヒロインの真意は、本当の役割は・・・
 もう謎だらけで終わります。

 頭の中で色んな推測が入り乱れ、読者としては主人公藤木の推測さえどこまで信じていいものかと混乱させられました。

 ああ、これが本当の「迷宮」なのだと胸が締め付けられます。
 小道具のゲームブック「火星の迷宮」のトゥルーエンドの文章がなんとも切なく、凄惨な物語を切なくまとめているのを見事だと思いました。


 貴志祐介はそういう真実を教えない、解き明かされないという効果を上手く使っていると思います。

 「悪の教典」ではハスミンは早水をどうしたかを片桐には明かさなかったし、「新世界より」では真理亜と守の最期の詳しいことは結局読者にさえ明かされませんでした。

 大切な人の最期を知ることができない、ということは魂を縛られますよね。
 一生そのこと忘れられずに悩みながら生きていくことになるでしょう。

 そういうところが実に上手い、と私は思うのでした。
 普通そういうのって悪役が嬉々として話すでしょうよ(笑)


 ああ、気になる気になる、魂が縛られる・・・そういう作品でした^^


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