樹梟堂日記

自営業者の日記です。最近はまっているのはマンガ「トーキョーグール:re」「亜人」「ジョジョリオン」「ハンターハンター」、スマホゲーム「Fate/Grand Order」「ポケモンGO」「クラッシュロワイヤル」です。

ウェルフィンの念能力の元ネタ「ミサイルマン(平山夢明著)」感想

 「ハンターハンター」の登場人物ウェルフィンの念能力の名称の元ネタである「ミサイルマン」が表題作の短編小説集の感想です。


 表題作「ミサイルマン」はツヨシとシゲという2人の無軌道な若者が暇つぶしに猟奇殺人を繰り返し、しっぺ返しを食らう話しです。
 いや、これだと語弊がありますね。暇つぶしに猟奇殺人をしてしまうほど社会から孤立し行き場のない彼らが最後に何かを得た、かもしれない話しです。

 社会の片隅でそういう若者がだべったり冒険したりする話しは大好物なのでとてもわくわくしながら読み進めました。
 ちょっとそっけないツヨシと馴れ馴れしいシゲのコンビの掛け合いが楽しいです。

 ウェルフィンの念能力との共通点なのですが、「相手に取り憑く」「蟲」という辺りがそうかなと思いました^^


 本作にはガストやピカチューなど実在の固有名詞がばんばん出てきます。
 タイトルの「ミサイルマン」自体もそれで、ハイロウズの実在の曲だと知った時はとても驚きました。



 ついつい口ずさみたくなる良い曲じゃないですか^^
 でもこの曲は作中ではシゲが好きだという設定なのですが、彼らの帰る場所のない、ひたすらぶつかるまで進むしかない人生を表していると思うと切なく感じます。


 本書は「独白するユニバーサル横メルカトル」に続く2冊目の平山夢明短編集でしたが、相変わらず拷問や猟奇殺人などの残酷描写がてんこもりなのに前作よりも嫌な感じがしません。

 前作は悪意たっぷりな印象で読んだあと落ち込んだのですが(笑)、今作はどの作品も人生の儚さ、大切さを表現しているようでとても美しい印象を覚えます。

 あと文体を自在に操る腕前は相変わらずで新たな作品に進むたびに関心させられました。


 そして何よりすごいのはやっぱり今回も短編ひとつひとつに長期連載に耐えるようなネタをいくつも放り込んでいること。
 なるほど、冨樫先生がネタ探しに読むというの分かるというもの(笑)(参考

 特に「枷(コード)」という作品なのですが、

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻じ曲がる銀食器……。<顕現>と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。愛娘を手に掛けたときに現れた、究極の顕現とは?


 このあらすじの超常現象ネタだけでも充分面白い作品にできるでしょうに、さらにタイトルにもなっている枷(コード)という面白いコレクターの習性ネタまで入れていてすごく贅沢な作品になっています。

 冨樫先生もコレクターなのでそういうところがあるのかな、だから連載が滞るのかな、などと想像するとなお楽しい作品でした^^


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